• 2025年7月16日

肝臓専門外来

肝臓に関する病気や不調を専門に診察・検査する外来です。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期では症状がほとんどないため、肝臓の機能に問題や不調がある場合、検診で肝機能の異常を指摘されたときは、精密検査を受けるのがよいでしょう。

肝臓専門外来で診察・検査される主な疾患には、次のようなものがあります。

慢性B型肝炎、慢性C型肝炎、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH、NAFLD)、 アルコール性肝炎、肝硬変、自己免疫性肝炎

肝臓の精密検査では、血液検査や腹部超音波検査などの画像診断が行われます。血液検査では、AST、ALT、ALP、γGTPの測定のほか、肝炎ウイルスマーカーや自己抗体などの特殊な項目も測定されます。腹部超音波検査では、肝臓や関連臓器を超音波で観察し、血液検査では検出しづらい物理的な異常がないかを調べます。

院長は肝臓専門の外科医として20年以上にわたり、肝臓の手術、肝移植、慢性肝疾患の治療を行ってきました。「肝臓の機能が低下してきたのが心配」、「肝臓に良い栄養法を知りたい」などありましたら、何でも相談してください。

肝臓の超音波検査

慢性肝疾患をわずらった肝臓は肝臓がんが発生しやすくなります。定期的な超音波検査でがんの早期発見はもちろん最重要ポイントです。

同時に、最近では肝臓の硬さ(線維化)や脂肪の沈着度を超音波で数値化することができるようになりました。

今まで治療の指標がなく評価が難しかった、肝硬変(=線維化)、脂肪肝(=脂肪沈着度)の治療の効果判定を正確にすることが可能になっています。

フィブロスキャン、超音波エラストグラフィー 

当院に導入している超音波機器、富士フィルム株式会社のアリエッタ650 DeepInsight SEは、AI技術を活用したノイズ除去機能があります。これにより、膨大な情報から、必要な情報のみを抽出して、より鮮明な「見やすい」画像が実現できました。

「Real-Time Tissue Elastography(RTE)」により、組織の硬さをリアルタイムに算出して、硬さの違いを色付けします。

Liver Fibrosis Index(LF Index)は富士フィルム株式会社の独自技術で、肝臓の線維化の程度をエコーを当てるだけで計測できます。今まで肝臓の線維化は肝生検を行っていました。肝生検は肝臓に直接針を刺すので、痛みがあったり、出血や気胸の合併症がありましたが、エコー検査は痛みもなく安全に行うことができます。

Shear Wave Elastography (Shear Wave Measurement: SVM)

エコーからプッシュパルスを送信し、組織をひずませます。ひずんだ組織が元の位置に戻ろうとするときにせん断波(Shear Wave)が発生します。伝搬速度(VS)を計測することにより、肝臓の硬さを評価します。

せん断波(Shear Wave)の伝搬速度をもとに、組織の硬さを色付けします。肝臓の硬さを数値化することが可能です。肝線維化を視覚的に表示し、定量評価が可能となります。

iATT(Attenuation Imaging)

超音波の減衰特性を応用して、肝臓の脂肪量をエコーで計測することが可能です。脂肪肝は、肝細胞の5%以上に中性脂肪がたまった状態です。肝生検をしなくても脂肪量の推定ができます。脂肪肝は長く続く病気なので、経時的な変化をおうことにも有用です。

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