• 2026年3月1日

よくこんなまずい飲み物を作った。大腸カメラの下剤はなぜまずい?

大腸カメラの下剤って本当にまずいですよね。技術開発が進む現代社会で、こんなにまずい飲み物が世の中に存在することが驚きです。以前製薬メーカーの方に、“下剤を美味しくできませんか?”と聞きました。“無理です”と。ではなぜ、下剤はこんなにまずいのでしょうか。

下剤成分
ニフレックポリエチレングリコール
モビプレップポリエチレングリコール
サルプレップ無水硫酸ナトリウム・硫酸カリウム・硫酸マグネシウム水和物液

主に使われる大腸下剤の主成分であるポリエチレングリコール硫酸塩は自然な食物には含まれません。人工的な化合物です。人間は自然なブドウ糖タンパク質脂質を、“美味しい”と感じます。人工的な化合物は“苦味”や“えぐみ”を感じます。

ブドウ糖(糖質)、タンパク質、脂質は、舌や胃に存在する、“うま味センサー”が作動し美味しいと感じます。さらにドパミンなどの快感物質が分泌され、“幸福感”を感じます。また食べたくなります。これは、人間が三大栄養素のブドウ糖、タンパク質、脂質を効率よく摂取するように、進化の過程で身につけた本能的なメカニズムです。

短腸症候群などで使われる成分栄養剤(ED)は、ブドウ糖をデキストリン、タンパク質をアミノ酸の消化態にして腸に負担をかけずに吸収しやすい状態にしています。この人工的な状態になると、人は途端にうま味を感じず、“苦味”、“えぐみ”を感じます。

ポリエチレングリコールや硫酸塩も同じです。人工化合物なので、自然な食材には含まれません。同じ理由で、糖質のような“うま味”はなく、“苦味”、“えぐみ”を感じる訳です。

下剤は、高い浸透圧で腸から水を引っ張って排便・洗浄します。下剤を美味しくするには、われわれが美味しいと感じる、糖やタンパク質、脂質を高濃度にして美味しい“浸透圧下剤”を作れないのでしょうか?

答えはできません

下剤の大事な条件として、“小腸で吸収されず、そのままの形で大腸に到達する”必要があります。糖、タンパク質、脂質ともに小腸で吸収されます。肝腎な大腸に届く前になくなります。小腸で吸収されない人工化合物が下剤の主成分なので、当然まずくなる訳です。

下剤は何がきついのでしょう。皆様の声です:

  • 味がまずい
  • 量が多い
  • においが嫌い
  • 吐き気がする

私も毎年大腸カメラを受けているので分かります。ではどうすれば少しでも楽に下剤を飲めるのでしょう。

下剤の飲む工夫:

  • 冷やして飲む
    • 冷たいと味や匂いが感じにくくなります
  • ストローで飲む
    • 喉の奥に流し込みます。舌に当たらないので味や匂いを感じません。
  • 口直し
    • 冷たい水、お茶、スポーツドリンクで口直しをする。ただし、チェイサーとしてスポーツドリンクを飲むことは可ですが、下剤本体をジュースやスポーツドリンクで割ることは、配合変化がおきてしまうので推奨されません。

どうしても下剤が無理で大腸カメラができない、という方は究極の方法として、“下剤なし大腸カメラ”という方法もあります。標準的な方法ではありません。しかし、本当は大腸カメラが必要なのに下剤が飲めないから大腸カメラができない、、、という方にはお薦めです。

詳しくはこちら

https://momocli.com/laxative.html

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