- 2025年6月26日
- 2025年7月22日
脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫とは、皮下に発生するやわらかい腫瘤で、良性の成熟した脂肪細胞の集まりです。皮下腫瘤で最も発生頻度が高いです。自然に治癒することはなく、徐々に大きくなるので、いずれは手術が必要になります。

原因
発生の原因はまだはっきりわかっていません。刺激を受ける場所にできやすい傾向があります。毛細血管の周囲に残る未分化の細胞が何らかのきっかけで脂肪細胞に分化して増殖し、脂肪腫となります。80%近い脂肪腫が染色体異常を持っていることから、成人後も残っている未分化細胞が遺伝子異常によって脂肪細胞に分化・増殖すると考えられています。
治療
脂肪腫は自然治癒することはありません。そのため、外科手術による摘出が治療の基本です。薄い膜に包まれた脂肪腫をかたまりごと全て切除します。脂肪腫の中にはまれに悪性のものがあるため、必要に応じ切除後に病理検査を行います。

脂肪腫手術の手順
1.麻酔
脂肪腫の輪郭をマーキングします。脂肪腫に十分に局所麻酔をします。
2.皮膚切開
脂肪腫の2/3の長さの皮膚を切開します。
3.摘出
ピンセットで持ち上げながら周囲の組織からはがして優しく摘出します。
4.縫合
しっかりと止血をしてから、抜糸の必要のない溶ける糸で縫い合わせます。