• 2025年9月9日

“少しぽっちゃり”体型が長生きするってホント?

健康のためには、甘いものは控えて痩せないと、と思っている人は多いのではないでしょうか。私も外来で、“体重を3kg減らしましょう”とよくアドバイスします。

そんななか、“少しぽっちゃり”の人が一番長生きする”、という衝撃のデータがでました。

日本人35万人を12.5年間追跡した統計で、一番長生きするベストBMIは25でした(J Epidemiol 2011 21(6) 417-430)。

BMI=25というと:

155cm 60kg

170cm 72kg

です。155cmの女性が60kgだと、“私太り過ぎだから痩せなきゃ”となるではないでしょうか。そんなことはありません。一番長生きする体重です。

もうひとつ興味深い知見は、グラフの右側(BMI=30-40:肥満)より、グラフの左側(BMI=14-19)の方が死亡率が高いことです。この原因としては、痩せ型の方に多い、”フレイル“が関係していると言われています。フレイルは栄養不足、運動不足から体重、筋肉が落ちて、病気になりやすい体質になることです。特に高齢者で多いので、70歳を過ぎたらダイエットで痩せようとせず、BMI=25を目指して体重アップを目標にした方がよいです。

この研究は、”死亡率“がエンドポイントです。若い方は生死の問題からは遠いので、その前に、”病気にならないBMI“が重要です。最も健診にひっかからないBMIは22といわれています(lnt J Obes. 1991;15(1):1-5)。BMI=22の若い方はベストなので、無理してBMI=25まで太って、”ぽっちゃり“を目指さなくて大丈夫です。

日本人の20代、30代の若い女性の5人に1人は、痩せすぎの”低体重“といわれています。若い女性の痩せすぎは、女性ホルモン異常、骨粗しょう症、疲労感、免疫力低下など、さまざまな病気を引き起こします。戦後の1947年は、20代が一番太っていました。今は、20代が一番体重が少ない世代になっています。たまにはダイエットを忘れて、美味しいものを、お腹いっぱい食べることも大事です。

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